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2013年6月17日月曜日

2013年イラン大統領選結果の解説

昨日、BS朝日放送の「世界の今」でイラン大統領選挙の解説した話をここにも書く。

まずハメネイをトップとする、イラン・イスラム共和国体制が危機を感じているがために社会と政治界に妥協した。
●米騒動ならぬ、ナン騒動がイランで起きる可能性が高まっていることは、イランの支配体制に一番の危機感を与えている。イランでもっとも読まれているのであろうSNSサイトのBalatarinで、ロウハニに投票した人に理由を訪ねていた。ロウハニに投票した人の54%が経済問題の解決と答えている。私のように政治状況の改善を求める人が半分ほどでしかない。私は彼に投票した理由は経済問題解決であっても、政治犯らの釈放、自宅軟禁されている2009年大統領選挙候補らのムサビとキャッルビらの解放だった。私のような人がたった24%だ。
中国などで、歴史的にいくらでも、米騒動が体制をひっくり返しているから、この経済状況の改善をしないとどうにもならないことをハメネイなどの体制も分かっている。それで、経済制裁を何とかするため、世界との調和が取れるロウハニの当選に妥協した。
投票された票をしっかり数えたことはそれに由来する。

●ハメネイが恐れていることは他もある。それは、実は「革命防衛隊」だ。ハメネイたちがたくさんの権力与えたはずの革命防衛隊だけど、それが多くの武器を持っていて、怖いのだ。また中国などの国で幾度もクーデターのように武器を持った組織が体制をひっくり返した。革命防衛隊がシリアにたくさん関与しているとされるなか、シリアのアサド体制がひっくり返ったら、また、イランのハメネイ体制が危機に陥る。それをとめようとして、国民に選挙で微かな自由を与えた。国民も内戦や戦争にならないような、選択をした。国民が賢い選択をしたのなら、その票をしっかり数えようじゃないかと、WIN-WINになったわけだ。

●ロウハニが大統領と発表されてから、世界中からメッセージがイランへ送られている。今のイランは希望に満ちている。街頭で喜びを踊りながら、叫ぶ人だけではない。株価も上がっているし、万が一のときに、安全資産とされる金の値段も下がっている。世界でその値段は上がっているけど、イランでは下がっている。国内の政治家らも多くの祝賀メッセージを送っている。自宅軟禁とされているキャッルビの家族もだ。

希望的観測を今後のイランについて書くのなら
①政治状況は少しずつ自由になるだろう。結局刑務所はなにも政治を改善しないことを体制もしっかり分かっただろう。私のように政治犯として「エビン刑務所」に入れられているTajzadehさんのメッセージで投票へ向った人はいくらでもいる。自宅軟禁されているムサビとキャッルビらが解放されるだろう。映画ファンの友人が気にしている「パナヒ監督の解放」もそう遠くないだろう。

②経済状況もそれほど早くはないが、徐々に改善するだろう。以前ロウハニが担当していた核開発だが、ウラン濃縮は一時なり、何なりと止めるて、IAEAの完全な査察を受け入れるだろう。それを持って、イランへの経済投資のリスクが減るだろう。そんなに早いスピードではないけど、改善することを期待しましょう。

このような内容の分析をイラン人である政治社会研究者として、どこかで話したり、投稿したりできれば嬉しいです。

イラン国民は勝利した!!まず最初の第一歩だけど、ヤッター!!